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アウディ R8の後輪駆動車に高性能モデル、570馬力に強化…欧州発表
アウディは10月7日、『R8 V10 パフォーマンス RWD』(Audi R8 V10 performance RWD)を欧州で発表した。
『R8』はアウディのフラッグシップスポーツカーだ。現行R8は2世代目モデルで2015年春、ジュネーブモーターショー2015で発表された。2018年秋には、デビュー以来初の本格改良を受けて、改良新型が発表された。
今回、欧州で発表されたR8 V10 パフォーマンス RWDは、2019年秋に登場した『R8 V10 RWD』を置き換える、さらなる高性能バージョンだ。4WDの「クワトロ」を廃し、2WDの後輪駆動化したモデルになる点は変わらない。ボディタイプは、クーペとスパイダーの2種類が設定されている。
◆30psのパワーアップで最高速は9km/h上乗せ
R8 V10 パフォーマンス RWDのミッドシップには、直噴5.2リットルV型10気筒ガソリン自然吸気エンジンが搭載される。最大出力は570ps、最大トルクは56.1kgmを発生する。R8 V10 RWDの最大出力540ps、最大トルク55.1kgmに対して、パワーは30ps、トルクは1kgm引き上げられた。トランスミッションは7速「Sトロニック」を組み合わせる。
走行状況に応じて、LSDが後輪の左右にトルクを配分し、道路が濡れている場合でも高いトラクションを追求する。ボディは「アウディスペースフレーム(ASF)」デザインを導入してアルミで作られ、大きな部品はCFRP(カーボンファイバー強化プラスチック)製とした。R8 V10パフォーマンスRWDの重量は、クーペが1590kg、スパイダーが1695kg。前後重量配分は40対60だ。
動力性能は、クーペが0~100km/h加速3.7秒、最高速329km/h、スパイダーは0~100km/h加速3.8秒、最高速327km/h。R8 V10 RWDのクーペの0~100km/h加速3.7秒、最高速320km/h、スパイダーの0~100km/h加速3.8秒、最高速318km/hに対して、0~100km/h加速は変わらないものの、最高速は9km/h上乗せされている。
◆後輪駆動のR8初の「ダイナミックステアリング」
R8 V10 パフォーマンスRWDのサスペンションとドライビングダイナミクスは、後輪駆動車のために特別にバランスが追求された。ESCはスポーツモード時に、サスペンションのセットアップと制御システムによって、ドリフトをコントロールすることができる。パワーステアリングは、専用チューニングされた。足回りには、19インチタイヤ&ホイールを標準装備する。オプションでフロントに245/30R20タイヤ、リアに305/30R20タイヤとカップホイールが選択できる。
後輪駆動のR8で初めて「ダイナミックステアリング」がオプションで選択できるようになった。これにより、ワインディングロードなどにおいて、よりダイレクトなステアリングによって、ダイナミックな走行が楽しめるという。また、駐車時などの操舵を支援し、快適性が向上する、と自負する。
ウェーブデザインの18インチ高性能ブレーキシステムを標準装備する。オプションで19インチの高性能セラミックブレーキシステムを装備することができる。CFKスタビライザーも採用している。
◆レーシングカーにインスパイアされたスポーティデザイン
レーシングカーの『R8 LMS GT4』にインスパイアされたスポーティなデザインを採用する。マットブラック仕上げのワイドでフラットなシングルフレームグリルと、大型エアインテークのR8エンブレム、フロントリップスポイラーとリアエアアウトレットグリッド、楕円形テールパイプが装備された。フロントフードの下のスリットは、アウディ『スポーツクワトロ』を彷彿とさせるデザインだ。ボディカラーは全10色。そのうちのひとつは、従来は『R8 V10パフォーマンスクワトロ』専用だったアスカリブルーメタリックだ。
「R8パフォーマンス」デザインパッケージを用意した。ブラックのアルカンターラレザー、メルカートブルーのコントラストステッチ、カーボントリムなどが装備される。
「アウディバーチャルコックピット」には、12.3インチのスクリーンを採用した。R8レザーステアリングホイールには、「マルチファンクションプラス」が備わる。「アウディドライブセレクト」を使用してエンジンを始動したり、パフォーマンスモードを有効にしたり、アウディバーチャルコックピットをコントロールしたりすることができる。レザーとアルカンターラで仕上げられた新しい「R8バケットシート」やスポーツシートが装備できる。「RWD」のエンブレムが、助手席の前方に添えられている。