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メルセデスベンツ、Eクラスに相当する電気自動車「EQE」を発表へ
メルセデスベンツは9月5日、ドイツで開催したIAAモビリティ2021のプレビューイベントにおいて、新型EVの『EQE』(Mercedes-Benz EQE)を初公開した。
EQEは、『EQS』の下に位置するEVとなる。EQSが新型『Sクラス』に相当するEVであるのに対して、EQEは『Eクラスセダン』に相当するEVとなる。
◆Eクラスと同じくビジネスサルーンらしさを受け継いだデザイン
EQSと比較して、ホイールベースがわずかに短く、オーバーハングが短く、ボディサイドはより抑揚が強調されている。これは、Eクラスセダンと同じく、ビジネスサルーンらしさを受け継いだものという。EQEのボディサイズは、全長4946mm、全幅1961mm、全高1512mm、ホイールベース3120mmとした。
EQEのフロントは、低くスポーティなデザイン。スリムなキャビンの上に、しっかりと張られた弓のようなシルエットは、クーペの特徴でもある。前方に移動したAピラーと、後方のCピラーがゆったりとしたキャビンスペースを構築する。
このセグメントでユニークなのが、キャブフォワードデザインだ。フロントのオーバーハングは短く、リアはスポイラーがダイナミックなアクセントを演出する。19~21インチのホイールと筋肉質のショルダー部分が、EQEにアスレチックなキャラクターを与えているという。
EQEにも、メルセデスベンツのデザイン哲学、「センシュアルピュリティ(官能的純粋)」が導入されており、明確で流れるようなデザインに反映された。緊張感のある曲がりくねった表面は、動力性能を強調しているという。
◆Eクラスよりも縦方向に80mm広い室内
インテリアは、センターコンソールの前側部分がインストルメントパネルにつながっている。これは、電動パワートレインにより、トランスミッショントンネルが不要になり、新しいパワートレインを視覚的に表現したものだ。複雑なステッチを備えたレザーの表面は、流れるようなデザインとした。
ドアオープナーとシートコントロールが一体化されたフローティングコントロールクラスターを採用する。ドアセンターパネルは、垂直面から水平面への官能的でダイナミックな動きとなり、アームレストと連続的につながる。空調ベントは、最近のメルセデスベンツに共通するタービンデザインとした。
シートは、コンフォートシートを標準装備する。サイドボルスターのデザインにより、ホールド性を追求した。ファンパームに似たステッチパターンを採用する。室内空間は、現行Eクラスセダンに対して、縦方向に80mm広く、前席ショルダールームは27mm広い。
インテリアの6つのコーディネートされた色の組み合わせは、ゆったりとした空間を強調する。EQEは、暖色と寒色の配色が特長。バラオブラウンネバグレーやビスカヤブルーブラックなどの色が、柔らかくエモーショナルなデザインを演出する。電気コイルがモチーフのカラーロゼゴールドも用意されている。
◆「EQE350」グレードのモーターは最大出力292hp
リアアクスルに電動パワートレインの「eATS」を搭載する。 4WDの「4MATIC」の場合、フロントアクスルにもeATSを搭載する。フロントアクスルとリアアクスルの電気モーターは、永久励起同期モーター(PSM)だ。 4MATICでは、トルクシフト機能により、前後の電気モーター間で駆動トルクを連続的に可変分配できるため、最も効率的にeATSを利用できるという。
EQEは、ブレーキエネルギーを電気エネルギーに変換して、バッテリーに蓄電する。ドライバーは、ステアリングホイールのパドルシフトにより、回生ブレーキの強さを3段階に調整できる。「ECO Assist」は、最も効率的な運転スタイルを追求する。ドライバーはブレーキペダルを踏む必要はなく、ワンペダルの運転を可能にした。
欧州市場で最初に導入されるのが、「EQE350」グレードだ。モーターは、最大出力292hp、最大トルク54kgmを発生する。バッテリーの蓄電容量は、およそ90kWh。1回の充電での航続は、最大660km(WLTPサイクル)に到達する。
バッテリーの充電は、車載の出力11kWチャージャーで約8時間15分。オプションの車載の出力22kWチャージャーの場合、約4時間15分で完了する。出力170kWのDC急速チャージャーを利用すれば、15分で約250kmの航続に必要なバッテリー容量を充電できる、としている。