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ポルシェ 911ターボ にワンオフ…ペドロ・ロドリゲスに敬意、オークション出品へ
ポルシェは7月28日、新型『911ターボS』(Porsche 911 Turbo S)のワンオフモデルを発表した。メキシコで最も偉大なレーサー、ペドロ・ロドリゲスを称えるモデルで、2021年内にチャリティオークションに出品される予定だ。
◆F1を2度制したペドロ・ロドリゲス
メキシコ出身のレーシングドライバー、ロドリゲスはF1で2回優勝したのをはじめ、ルマン24時間耐久レースで優勝、デイトナ24時間レースで4回の勝利を収めた。ペドロ・ロドリゲスは、史上最も成功したメキシコのレーシングドライバーとされる。
彼の輝かしいキャリアの中では、世界耐久選手権(WEC)で11のタイトルを獲得し、1970年と1971年、ポルシェがシリーズ優勝するのに貢献した。11回の優勝のうち、8回はポルシェに所属していた時代で、ガルフオイルカラーをまとったポルシェ『917KH』で成し遂げられた。
ロドリゲスは1971年7月11日、ドイツ・ノリスリンクでのレース中の事故により、この世を去った。それから50年後、ポルシェラテンアメリカとポルシェメキシコは、「ポルシェエクスクルーシブマニュファクチャー」と協力して、新型ポルシェ911ターボSのワンオフモデルを発表した。
◆ガルフブルーのポルシェ「917KH」にインスピレーション
ポルシェラテンアメリカとポルシェメキシコは、ポルシェエクスクルーシブマニュファクチャーと協力するだけでなく、ロドリゲスの家族とポルシェ博物館と協力して、伝説的なメキシコ人ドライバーと彼が栄光を手にした917KHにも敬意を表したワンオフモデルを製作した。
かつての917KHと同様、象徴的なガルフブルーに、オレンジのストライプが添えられた。特別にデザインされたホイールはグロスブラックで塗装され、アルミ製センターロックを備える。ドアには、ゼッケンナンバー2が配された。
センターピラーの下付近のプレートには、メキシコ国旗の色を使って描かれた917KHのシルエットと、ロドリゲスのサインが添えられた。これと同じディテールが、ドアフレームのカーボンモールディングにも施されており、ドアを開くと点灯する。彼が917KHで勝利した8つのレースの名称は、リアスポイラーの下に刻まれている。
インテリアは、オレンジステッチ入りのグラファイトブルーレザー仕上げとした。917KHのシルエットは、フロントシートのヘッドレストに描かれた。ロドリゲスのサインは、センターアームレストとカーボンファイバー仕上げのダッシュボードトリムにもあしらわれる。
◆3.8リットル水平対向6気筒ツインターボは最大出力650ps
パワートレインは、3.8リットル水平対向6気筒ガソリンエンジンを、2つのVTG(可変タービンジオメトリー)ターボで過給したユニットだ。最大出力は従来型を70ps上回り、650psを獲得した。最大トルクは5.1kgmプラスの81.6kgmを引き出す。
トランスミッションは、ターボ専用の8速「PDK」(ポルシェ ドッペルクップルング)。0~100km/h加速は、従来型を0.2秒短縮する2.7秒で駆け抜け、最高速は330km/hに到達する。0~200km/h加速は、従来型を1秒短縮する8.9秒だ。
新型ポルシェ911ターボSのワンオフモデルは、2021年内にオークションに出品される予定だ。その収益は、さまざまな慈善活動に寄付される、としている。