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電源分圧出力機能を搭載、車載用高耐圧バッテリーモニタリングIC発売 エイブリック
エイブリックは7月27日、業界初の新機能である電源分圧出力機能を搭載した車載用高耐圧バッテリーモニタリングIC「S-191L/Nシリーズ」を発売した。
近年、自動車業界は自動運転技術の開発が加速。しかし、自動運転では、万が一、故障などが発生した場合でもその影響を極力低減できるような機能安全が必要となり、そのため、車載システムに搭載されたECUにはこれまで以上に安全性確保のための様々な機能が求められている。
エイブリックが今回発売したS-191L/Nシリーズは、安全性確保に求められるECUの機能の中で電圧を監視するためのICだ。従来は耐圧上の理由から、外付け部品を追加して低電圧へ分圧し、低耐圧電源監視ICやマイコンのA/Dコンバータを用いて自動車の高電圧を監視。さらに監視機能の動作/停止を切り替えるためにFET(電界効果トランジスタ)を追加するなど外付け部品点数が増加し、専有面積が増大するといった課題があった。
新製品は業界初となる電源分圧出力機能を搭載。高電圧を低電圧に分圧してA/Dコンバータに直接入力可能な電圧を出力する。また暗電流を削減するため、電源分圧出力機能の動作/停止を制御する回路も搭載。外付け部品等の削減で省面積化を実現する。これにより、外付け部品によるばらつきなど、監視精度に影響を与える要因が少なくなるため、高精度の電圧監視を実現し、故障率の低減や機能安全強化に貢献する。
さらにECUの異常動作や機能停止につながる低電圧を監視する機能と、ECUの破壊につながる過電圧を監視する機能も搭載。より高い安全性確保に寄与する。