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ヴァレオ、電動化や自動運転技術を出展へ…IAAモビリティ2021
ヴァレオ(Valeo)は7月26日、ドイツ・ミュンヘンで9月に開催される「IAAモビリティ2021」に、電動化や自動運転技術を出展すると発表した。「IAAモビリティ」は、従来のフランクフルトモーターショーが開催地を移動し、リニューアルして行われるものだ。
◆電圧に関係なく全EVに電力を供給できる充電ステーション
ヴァレオはIAAモビリティ2021において、新たな充電ステーションをワールドプレミアする。新開発した充電ステーションは、電圧に関係なくすべてのタイプのEVに電力を供給できるのが特長だ。インテリジェントなエネルギー管理機能として、電気が最も安い時、または太陽光や風力などのグリーンソースから供給された時に、充電することもできる。
IAAモビリティ2021では、合弁事業の「ヴァレオ・シーメンスeAutomotiveシステム」のモーター、トランスミッション、インバーターシステムを搭載したドイツのプレミアムブランドの電動フラッグシップ車両が登場する。この電動フラッグシップ車両では、バッテリーとエアコン用のサーマルシステムも、ヴァレオ製品を採用している。
電動化に関するヴァレオの技術プラットフォームは、廉価な48Vソリューションから、ヴァレオ・シーメンスeAutomotiveシステムで開発されたパワフルなシステムまで、あらゆるセグメントと用途をカバーしている、自負する
◆BMWと共同開発した自動バレーパーキングを実演
IAAモビリティ2021で、ヴァレオはBMWと共同開発した駐車場に自動駐車できる自動バレーパーキングシステムを実演する。2021年は、自動運転のレベル3を可能にする世界初の市販車が発売された。その車両には、ヴァレオのLiDAR技術が搭載されている。自動運転レベル3は、一連のセンサー群に加えて、3D LiDARを搭載することで初めて実現できる。ヴァレオは、先進運転支援システム(ADAS)の分野で世界的リーダーであり、世界中の新車の4台に1台にヴァレオのテクノロジーが搭載されているという。
ヴァレオはまた、ミュンヘン市内外の公道に設けられる「ブルーレーン」において、レベル4の自動運転車のヴァレオ『Drive4U』による自動運転を実演する。この車両に搭載されているセンサー類は、LiDAR、カメラ、レーダー、超音波センサーなど、全てがすでに量産化されているセンサーだ。プロトタイプ車両は、都市と郊外での運転、渋滞、交差点、ラウンドアバウト、信号機、横断歩道、道路工事など、さまざまな状況に対応できるという。
この車両には、さらに2つの安全機能が装備されている。ヴァレオの「Drive4U Locate」システムは、道路上での車両の位置をcm級の精度で特定し、標準のGPSシステムの許容誤差である最大5mよりも高い精度を発揮する。また、ヴァレオの「MovePredict.ai」システムは、人工知能(AI)を活用して、車の周囲の歩行者の動きを予測し、歩行者が動き始める前にブレーキをかける。
◆新しいスマートライティングシステム
ライティングとワイパーシステムなど、ヴァレオのビジビリティシステムも、IAAモビリティ2021に出展される。ヴァレオの新しいスマートライティングシステムは、ヘッドランプが道路形状に追従し、ドライバーの視界に次の曲がり角を示して、夜間や雨の中でも安全かつ運転しやすいように支援する。5Gネットワークによって車載カメラや周囲と繋がったテールランプは、道路上のすべてのユーザーに見えるように、安全メッセージを表示して危険を知らせることができる。
ヴァレオは乗用車や商用車に加えて、自転車、スクーター、配送用ドロイドなど、あらゆる種類の新たな都市型モビリティを電動化するソリューションを手がけている。ヴァレオは、IAAモビリティ2021とミュンヘンの公道で、これらの電動車両によるデモンストレーションを行う予定だ。
ヴァレオは、より安全なモビリティという課題に総合的に取り組んでいる。車両が周辺環境を察知して理解し、正しい決定を下せるようにするソリューションに加えて、乗員が健康的な車室環境で移動できるようにするソリューションを開発している。IAAモビリティ2021で、ヴァレオは車両を一種の「ヘルスシールド」にする一連のテクノロジーを紹介する。
また、ヴァレオは、ウイルス感染など健康上のリスクを評価するいくつかの指標をモニターする新システムの実演を行う。このテクノロジーは、ヴァレオの自動車技術におけるノウハウを、ヘルスケア分野に活用したもの、としている。