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現存最古のアストンマーティン、「A3」の100周年を祝福… ヴァンテージ に3台の限定車
アストンマーティン(Aston Martin)は6月24日、『Q by アストンマーティン・ヴァンテージ ロードスターA3』を欧州で発表した。現存する最古のアストンマーティン、「A3」の誕生100周年を祝福するモデルで、3台が限定生産される予定だ。
◆アストンマーティンが1921年に生産した「シャシーNo.3」
アストンマーティンは1913年、ライオネル・マーティンとロバート・バムフォードが英国ロンドンの小さなワークショップを立ち上げたのが起源だ。アストンマーティンは1921年、A3として知られている「シャシーNo.3」を、英国ロンドン・ケンジントンで製造した。アストンマーティンがシリーズ生産を始める前に製造した5台のプロトタイプの3台目で、この車は共同創設者のライオネルによって使用された。
A3には、1.5リットルの4気筒サイドバルブエンジンを搭載し、最大出力11psを発生した。A3は1922年、英国で開催されたヒルクライムで1位に。ブルックランズサーキットでは1923年、136km/hの速度記録を打ち立てている。
生産から100年が経過したこのA3は現在、アストンマーティン・ヘリテージ・トラスト(AMHT)が保有している。同コレクションに収蔵された後、A3はアストンマーティンの旧車のスペシャリスト、「エキュリー・ベルテッリ」により、オリジナル状態にできるだけ近くなるように復元された。
◆A3のデザインモチーフを内外装に採用したヴァンテージ ロードスター
A3の誕生100周年を記念し、アストンマーティンのビスポーク部門のQ by Aston Martinは、ヴァンテージ ロードスターをベースに、A3のスピリットを再現した限定モデルを3台製作する。これは、アストンマーティンの老舗ディーラーのひとつ、英国の「HWM」の依頼を受けて製作されるもので、実車は6月26日、アストンマーティンオーナーズクラブの支援を受けて、AMHTが主催したA3の100周年記念イベントにおいて、初公開されている。
Q by アストンマーティン・ヴァンテージ・ロードスターA3のエクステリアには、A3をモチーフに、明るいアルミ製サラウンドとブラックメッシュを備えた専用グリルが装着された。A3の生産当時に使用されたアストンマーティンのヘリテージエンブレムも、メッシュ部分に添えられている。
サドルレザーストラップで固定されたサイドフェンダーパネルは、1921年のA3のアルミ製ボンネットとボンネットストラップから、デザインのインスピレーションを得ている。手作業で磨かれたパネルは、エキュリー・ベルテッリによって仕上げられた。オリジナルモデルと同じ表現として、「No3」が刻印されている。さらに、ブロンズをあしらったA3と同様、ブロンズ仕上げのブレーキキャリパーがセットされた。足元は、特注の20インチ軽量鍛造グロスブラックホイールで引き締めている。
インテリアには、マイクロパーフォレイテッドフルートシートと、1921年にアストンマーティンが使用したものと同じスクリプトが、アクセントとして刺繍された。オブシディアンブラックを基調に、タンのコントラストステッチが配されている。
A3のインテリアにあしらわれていた真鍮からインスピレーションを得て、真鍮から特別に鋳造されたオーダーメイドのロータリースイッチが採用された。センターコンソールには、エンボス加工されたアストンマーティンのロゴがレイアウトされている。
◆4.0リットルV8ツインターボは最大出力510ps
フロントには、4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンを積む。このエンジンをフロントに低く、なるべく後方に寄せて搭載することで、車両の重心を下げると同時に、50対50の理想的な前後重量配分を追求した。
このV8ツインターボは、最大出力510ps、最大トルク69.8kgmを引き出す。トランスミッションは、ZF製の8速ATを組み合わせる。新開発の軽量の折り畳みルーフ機構と、最適化されたエクステリア&シャシーにより、クーペと比較して、重量増は60kgに抑えられた。
動力性能は、0~96km/h加速が3.7秒。最高速は、オープン状態で306km/hに到達する。これは、クーペの0~96km/h加速3.5秒、最高速314km/hに対して、遜色ない性能だ。-