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VW ティグアン 改良新型、220mm長い「オールスペース」…欧州発表

  • 《photo by VW》
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フォルクスワーゲンは5月12日、改良新型『ティグアンオールスペース』(Volkswagen Tiguan Allspace)を欧州で発表した。

◆ホイールベースは+110mmで全長は+220mm

フォルクスワーゲンは2017年1月、米国で開催されたデトロイトモーターショー2017において、ティグアン オールスペースを初公開した。ティグアン オールスペースは、フォルクスワーゲンの主力SUV、『ティグアン』から派生したロングホイールベース車。米国市場に導入された現行ティグアンはすべて、このロングホイールベース車だ。

現行ティグアンに対して、ホイールベースを110mm延長し、リアクォーターウインドウ周辺を専用デザインとした。ロングホイールベースの採用によって、荷室容量も拡大している。

ティグアンは2007年の発売以来、600万台以上が販売されており、世界市場で最も売れているSUVのひとつになった。この成功の主な要因が、全長が220mm長いロングホイールベースバージョン、ティグアンオールスペースの2017年の発売だ。2017年の発売から2021年3月末まで、世界中で約150万台のロングホイールベース仕様車が販売されてきた。フォルクスワーゲンによると、これまでに生産された現行ティグアンの55%がロングホイールベース車になるという。

現行ティグアンは2020年秋、初の大幅改良を受けて、改良新型が欧州で発表された。同様の改良がティグアンオールスペースにも施された。

◆フロント部分を新設計して表情を一新

エクステリアは、フロント部分を新設計した。これにより、全長は4723 mmと、従来よりも22mm長くなった。フロントには、独立したラジエーターグリルと新しいシグネチャーライトを採用する。新デザインのフォルクスワーゲンエンブレムと、フロントグリルのライトストリップも装備した。ティグアンオールスペースとしては初めて、「IQ.LIGHT」と呼ばれるLEDマトリックスヘッドライトがオプションで選択できる。LEDウインカーには、「スイープ」と呼ばれるインジケーター機能が加わった。

最新の先進運転支援システム(ADAS)の「IQ.DRIVE」として、部分自動運転を可能にする「トラベルアシスト」を設定する。システムは0~210km/hまでの範囲で、ステアリングやブレーキ、アクセルの操作をサポートする。トラベルアシストには「アダプティブクルーズコントロール(ACC)」や「レーンアシスト」が備わる。

欧州仕様車のパワートレインは、ガソリンターボの「TSI」エンジンが3種類、ディーゼルターボの「TDI」エンジンが2種類の合計5ユニット。7速デュアルクラッチトランスミッションや、4WDの「4MOTION」が選択できる。

◆2列シートの5名乗りと3列シートの7名乗り

幅広いオンラインサービスにつながる新しいインフォテインメントシステムとして、新世代の「MIB3」を搭載する。 SIMカードの「eSIM」が組み込まれたオンライン接続ユニット「OCU」を使用すると、ユーザーは「We Connect」や「We Connect Plus」のオンラインサービスが利用できる。

グレードに応じて、MIB3インフォテインメントシステムは、自然言語による音声制御、ストリーミングサービスへのアクセス、「フォルクスワーゲンID」によるクラウドベースのパーソナライズなどの機能が利用できる。Apple「CarPlay」とグーグル「AndroidAuto」向けの「App-ConnectWireless」を通じて、アプリをワイヤレスで統合できるようになった。

標準の3ゾーンオートエアコンの空調、暖房、換気機能は、センターコンソールの新しいデジタルモジュールによって操作する。ダイヤル式のノブとボタンは、タッチパネルとスライダーに置き換えられた。フルカラーのヘッドアップディスプレイを選択することも可能。ドライバーの視界に速度、進行方向、各種警告などの情報を投影する。

2列シートの5名乗りの場合、荷室容量は760~1920リットル。3列シートの7名乗りは、荷室容量が700~1755リットルとなる。オプションのサードシートは、2列目シートと同じように折りたたむことができ、荷室のフロアに収まる設計とした。

ティグアンのロングホイールベース車は、世界の2つの工場で組み立てられる。中国市場向けの『ティグアンL』は上海工場で製造される。南北アメリカ向けのLWB(ロングホイールベース)ティグアンと、ヨーロッパ向けのティグアンオールスペースは、メキシコのプエブラ工場で生産される。