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トヨタ 前田CTO「人とクルマが見守り、助け合う」…高度運転支援搭載のLSとMIRAIを投入

  • 《写真提供 トヨタ自動車》
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トヨタ自動車は4月8日、オンラインで高度運転支援技術の説明会を開き、システムによる車線変更などの新機能をもつ「Advanced Drive(ドバンストドライブ)」を搭載したモデルを同日から販売すると発表した。

トヨタは高度運転支援技術を、人とクルマがパートナーとして尊重し合う形で利用できるように開発を進めており、ブランドにより「トヨタチームメイト」、「レクサスチームメイト」と名付けている。今回はそれらの新機能として高速道路や自動車専用道で、システムによる車線変更や一定条件下でのハンズフリー走行、ドライバーモニターなどの機能を搭載した「アドバンストドライブ」技術を実用化した。

この技術の搭載車両はレクサスの『LS500h』(4月8日発売、価格1632万円~)、およびトヨタブランドの燃料電池車『MIRAI(ミライ)』(4月12日発売、価格845万円~)。車載のカメラ、ライダー、レーザーで周囲360度を監視するとともに、ディープラーニングを中心としたAI(人工知能)技術も採用し、運転中のさまざまな状況を予測して安全運転を支援する。

開発では「ドライバーの気持ちに寄り沿ったスムーズな走り」の提供を追求したとし、例えば追い越し中の左車線に大型トラックが走っている場合は、自車を少し右側に寄せて安心感のある状態で追い抜くなどの細かい配慮を採り入れている。トヨタでは初めてソフトウエアを通信によってアップデートする「OTA(On The Air)」方式も採用した。

技術説明会見で前田昌彦執行役員CTO(最高技術責任者)は、運転支援や自動運転技術の基本方針について「トヨタは独自の安全自動運転技術のコンセプトとして人とクルマが見守り、助け合い、気持ちの通った仲間のように走るという『Mobility Teammate Concept(モビリティ チーム コンセプト)』を定義した。ドライバーとシステムが双方をパートナーとして尊重し合い、自動運転のシステムがあったとしてもクルマが愛車と呼べる仲間となる。その結果としてより安全、安心な移動の自由をお届けしたいと考えている」と、説明した。

今回の高度運転支援技術は、5段階ある技術階層の「レベル2」に相当する。日本メーカーではホンダが、一部条件でシステムが自動運転を担う「レベル3」の技術を『レジェンド』に搭載して3月に発売している。

前田CTOは技術階層について「何より大事なのはお客様が安心してシステムに運転を任せられるかどうかということ」としたうえで、レベル3の開発については「今回のシステムへのお客様のフィードバックを重視していく。また、社会の受容性も重要なファクターであり、周辺の社会情勢も見ながら進めたい」と語った。