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駐車係の“お楽しみ”がなくなる…自動駐車技術を搭載、メルセデスベンツベンツ Sクラス 新型[動画]
メルセデスベンツは3月18日、新型『Sクラス』(Mercedes-Benz S-Class)に搭載される自動駐車技術を、ユーモアを交えて紹介した短編映画、『Valet Guys The New S-Class』を公式サイトで公開した。
◆自動駐車に必要な技術をあらかじめ搭載した世界初の量産車
新型メルセデスベンツSクラスは、将来のインフラ協調の自動バレーパーキングに必要な技術を、あらかじめ搭載した世界初の量産車だ。スマートフォンのコマンドを受信し、予約済みの駐車スペースに車両が自動的に進むことを可能にする。これは、「インテリジェントパークパイロット」と呼ばれるシステムだ。
自動駐車サービスの商用化に向けたパイロットテストは、ドイツ・シュトゥットガルト空港の駐車場にて実施されている。新型Sクラスに搭載された車両技術が、ボッシュのインフラ、駐車場運営会社のApcoaのデジタルプラットフォーとどのように連携するのかを、テストする。このプラットフォームにより、駐車プロセス全体がチケットレスかつキャッシュレスになる。
◆量産車における自動運転レベル4も世界初
メルセデスベンツとボッシュは2019年7月、ドイツ・シュトゥットガルトのメルセデスベンツ博物館の駐車場において、セーフティドライバーを乗せずに『Eクラス』を実際の混合交通下において走行させる自動バレーパーキングを運用するための特別承認を、世界で初めて取得した。インテリジェントパークパイロットに適合する事前設定が行われた新型メルセデスベンツSクラスは、ドライバーレスの駐車を可能にする自動バレーパーキング技術を備えた初めての量産車になるという。
ただし、適切なインフラを備えた駐車場が将来利用できるようになること、そして国の立法機関が自動バレーパーキングを承認することが条件になる。これにより、新型Sクラスは、2番目に高い自動化レベルであるSAEレベル4の自動運転機能に必要な事前設定がされた世界初の車両となる。SAEレベル4では、特定の道路など一定の条件下において、車両がドライバーの操作なしで、完全自動運転を行う。
利用者が快適に空港ターミナルへ向かい、チェックインする間、インフラ技術からの情報に誘導されて、自ら地階に駐車する。利用者は駐車操作のことを心配する必要がなく、狭いスペースに駐車した車両から苦労して脱出する必要もなくなるという。
◆ボッシュの新開発ビデオカメラが自動駐車を支援
シュトゥットガルト空港の駐車場には、ボッシュの新開発ビデオカメラが設置された。このカメラは、空いている駐車スペースを識別し、走行通路とその周囲をモニターし、通路内の障害物や人間を検知することができる。今までは、この役割をLiDARセンサーが担っていた。
続いて、駐車場内の専用コントロールセンターが、利用可能なスペースへ到達するために車両が通るルートを計算する。カメラが得た情報により、車両は狭い傾斜路も含めて、駐車場内を走行することが可能になり、異なる階の移動もできるようになる。車載技術が、インフラからの情報を自動的に運転操作に変換する。たとえば、カメラが予期せぬ障害物を検知した場合、車両は安全に緊急停止を行う。
車両がドライバーの乗降エリアから駐車スペース間を自動走行すると、ドライバーは時間を節約でき、車両まで長い距離を歩く必要がなくなる。メルセデスベンツとボッシュは、駐車場の実際の混合交通においてSAEレベル4の自動バレーパーキングを実現する世界初のインフラ協調のソリューションを用いて、ドライバーレス駐車への道を開拓していく。将来的には、統一された規格とインターフェースにより、車両とインフラ技術の間の円滑な通信が確保される見通し。利用可能なドライバーレスの完全自動駐車サービスが増えることで、同じスペースに最大で20%も多くの車両が収容可能になるという。
◆架空のホテルの駐車係の男性3人の「お楽しみ」とは
メルセデスベンツは、新型Sクラスに搭載される自動駐車技術を、ユーモアを交えて紹介した短編映画、『Valet Guys The New S-Class』を公式サイトで公開した。この映画では、架空のホテルの駐車係の男性3人が、顧客から預かった車両を移動させ駐車させる日々の業務を、ジョークを交え、意図的に誇張しながら紹介している。
3人の日常業務には、顧客の車を駐車目的以外で走行させる「ジョイライド」も含まれていた。しかし、映像の最後には、「駐車係さん、お楽しみの時間はもうすぐ終わるかもしれません」とのナレーションとともに、自動駐車技術を搭載した新型Sクラスが登場する。