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VW、新型SUVクーペや ポロ 改良新型を発売…2021年世界新型車計画
フォルクスワーゲングループ(Volkswagen Group)は3月16日、デジタル開催した年次プレスカンファレンスにおいて、フォルクスワーゲン乗用車ブランドの2021年の世界新車計画を発表した。
◆電動SUVのID.4のクーペ版がID.5か
フォルクスワーゲン乗用車ブランドは2021年、EVの「ID.」シリーズを拡大する。フォルクスワーゲンが電動化攻勢の中心に据えているのが、ID.シリーズだ。最初の市販モデルとして、『ゴルフ』セグメントに属するコンパクトEVの『ID.3』を2020年に発売した。これに続いて、SUVセグメントには『ID.4』を投入している。
2021年には、このID.シリーズに『ID.5』が追加される。ID.5は、ID.4の 「MEB(モジュラー エレクトリック ドライブ マトリックス)」プラットフォームをベースにしながら、ID.4の派生クロスオーバー車として登場する。ID.5は、各自動車メーカーが新型車を相次いで発表しているSUVクーペになると見られる。
ID.5のEVパワートレインは、ID.4と共通になる見通し。ID.4の場合、リアアクスルに搭載されたモーターは、最大出力204psを引き出す。動力性能は、0~100km/h加速が8.5秒、最高速は160km/hでリミッターが作動する。バッテリーは蓄電容量が77kWh。1回の充電で最大520 km(WLTP計測)の航続を可能にする。また、主力の中国市場向けには2021年、『ID.4 CROZZ』と『ID.4X』など、いくつかのEVが投入される予定だ。
◆EVモード最大50kmのティグアンPHV
また、主力SUVの『ティグアン』は2021年、プラグインハイブリッド車(PHV)を発売する。PHVパワートレインは、エンジンが直噴1.4リットル直列4気筒ガソリンターボ「TSI」で、最大出力150psを発生する。これに、最大出力115psのモーターを組み合わせた。PHVシステム全体では、245psのパワーと40.8kgmのトルクを引き出す。
EVモードは最大50 km(WLTPサイクル)で、EVモードの最高速は130km/hとした。気温がマイナス10度を超えている場合には、EVモードで始動できるようにプログラムされている。リアアクスル前方のフロアに配置されたバッテリーは、AC(交流)でのみ充電される。オンボードチャージャーの場合は最大出力2.3 kW、充電ステーションや自宅では最大出力3.6kWで充電できる。
「ハイブリッドモード」では、電気モーターは1.4リットルエンジンをサポートし、追加のブースターのように機能する。ハイブリッドモードでは、ブレーキ時のエネルギーを回収し、バッテリーに蓄える。低負荷走行時にエンジンを休止したり、加速時にモーターに電力を送り、エンジンのパワーをアシストしたりすることができる。手動で「GTEモード」を作動させることも可能。GTEモードでは、電気モーターとエンジンがフル稼働する。
◆コンパクトな新型SUVクーペは「ニーヴァス」か
コンパクトな新型SUVクーペと『ポロ』の改良新型も、2021年に発売される予定だ。コンパクトな新型SUVクーペは、『ニーヴァス』を指していると見られる。ニーヴァスは、「ニュー・アーバン・クーペ」をコンセプトに掲げている。
ニーヴァスは、「MQB」プラットフォームをベースにしたSUVクーペだ。ボディサイズは、全長4260mm、全幅1750mm、全高1400mm、ホイールベース2560mm。ニーヴァスには、「VWプレイ」と呼ばれる最新のインフォテインメントシステムが採用されている。
このほか、コンパクトカテゴリー向けには、新開発のエントリーSUVが、南北アメリカとロシアのそれぞれの市場でデビューする。『タオス』は南北アメリカで、『タレク』はロシアで発売される。インドでは、現地生産のコンパクトSUVの『タイグン』が発売される予定だ。