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キャデラック CT5 に頂点、「Vブラックウィング」…668馬力スーパーチャージャー搭載

  • 《photo by Cadillac》
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キャデラックは2月1日、『CT5-Vブラックウィング』(Cadillac CT5-V Blackwing)を米国からデジタルワールドプレミアした。

キャデラックが1月、日本市場にも導入した新ミドルセダンの『CT5』の高性能グレードとして、米国で設定されているのが『CT5-V』だ。パワートレインは、直噴3.0リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンで、最大出力は355hp/5600rpm、最大トルクは55.3kgm/2400~4400rpmを引き出す。

◆6.2リットルV8スーパーチャージャーは最大トルク91.1kgm

このCT5-V をベースにしたさらなる高性能バージョンが、CT5-Vブラックウィングとなる。6.2リットルV型8気筒ガソリンスーパーチャージャーエンジンは、吸気効率の引き上げと改良された排気システムによって、最大出力668hp、最大トルク91.1kgmを獲得する。これまでで最も強力な量産キャデラック車になるという。このエンジンは、米国ケンタッキー州のGMのボウリンググリーン工場において、手作業で組み立てられ、エンジンビルダーの署名入りプレートが付く。

このV8エンジンには、コンパクトで高出力のイートン製スーパーチャージャーを組み合わせた。小径ローターを備えているため、エンジンが低回転域でも、瞬時のレスポンスを可能にしているという。

新開発のアルミ製シリンダーヘッドは、従来のアルミ製ヘッドよりも強度が高く、熱処理性能を向上させた。軽量チタン製インテークバルブも採用された。オイルセパレーターとドレンバックを備えたサーキット対応のウェットサンプ潤滑システムを搭載する。エンジンの吸気効率は、従来型の『CTS-V』と比較して、46%向上しているという。

◆10速ATはサーキット走行を視野に入れて開発

CT5-Vブラックウィングのトランスミッションは、6速MTが標準で、10速ATがオプションとなる。この10速ATは、マニュアルモードを選ぶと、ステアリングホイールのマグネシウム製パドルシフトでギアチェンジが行える。

スポーツモードでは、ダイナミクスを維持しながら、シフトチェンジをできるだけ抑え、パフォーマンスを向上させるためにトランスミッションを調整する。24時間連続のサーキットテストによって、専用のオイルパンやバルブの変更など、サーキット向けの改良が行われた。10速の各ギアは、シフトチェンジを予測しながら、エンジンを最適な回転数に保つ。

ダイナミックパフォーマンスモードは、ブラックウィング専用にチューニングされた。サーキットを重視したシフトパターンとなり、スポーツモードやトラックモードで高いGが発生すると、自動的に作動する。補助ポンプは、車両のドアが開いた時から10速ATを始動させ、低温時のシフト性能を向上させる。

◆最新の磁性体ダンパー「マグネティックライドコントロール」

キャデラックの磁性体ダンパーの「マグネティックライドコントロール」は、第4世代の「MR 4.0」となる。このMR 4.0に、最新のフロントおよびリアサスペンションシステムを組み合わせた、サスペンションは、より固いスプリングレート、独自の中空スタビライザーバー、より高いレートのブッシュなどにより、ハンドリング性能を追求している。

MR 4.0では、日常の走行とアグレッシブなサーキットパフォーマンスを両立させることを目指した。MR 4.0では、従来のマグネティックライドコントロールの4倍の速さで路面状況の変化を伝達し、処理する新しい加速度計と慣性測定ユニットが採用されている。

この慣性測定ユニットは、激しいブレーキング、ハードなコーナリングなどの走行条件においても、より正確な測定を可能にしているという。コーナリング中でも、車両の姿勢をより水平に保つことを可能にするボディコントロールシステムも採用している。

◆0-96km/h加速3.7秒で最高速は322km/h

タイヤサイズは、フロントが275/35ZR19、リアが305/30ZR19。専用のブラックウィングホイールにより、従来のCTS-Vよりもさらに大きなブレーキローターの装着が可能になった。CT5-Vブラックウィングのブレーキシステムは、キャデラック史上最大サイズの工場装着の純正ブレーキになるという。

さらなる高性能ブレーキシステムとして、クロスドリルローターを備えたカーボンセラミックブレーキパッケージが用意されている。

CT5-Vブラックウィングの動力性能は、0~96km/h加速が3.7秒(10速AT)。最高速は322km/hに到達する。キャデラック史上、最も強力なモデル、としている。