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自動運転バスに 5G 端末、埼玉工業大学の水陸両用車無人運転…ITbookが免許取得し遠隔操作テスト

  • 《撮影:大野雅人》
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室内のモニタを確認しながらハンドルとペダルで操り、窓のむこうを走る自動運転バスを遠隔で操作する…。そんな近未来のモビリティを想わせるテストが、埼玉工業大学構内で1月から始まった。

埼玉県深谷市の埼玉工業大学構内でテスト走行が始まった、今回の自動運転バスローカル5G遠隔操作は、2020年夏から群馬県長野原町で動き出した「水陸両用無人運転技術の開発~八ッ場スマートモビリティ~」事業にむけた取り組み。

世界初の水陸両用バス自動化をめざすプロジェクトで、事業代表者はITコンサルティングのITbookホールディングス。コンソーシアムメンバーに長野原町(水陸両用車保有・湖面管理)、日本水陸両用車協会(運航)、埼玉工業大学(自動運転技術)、エイビット(ローカル5G通信)が参画する。

今回は、自動運転技術を開発する埼玉工業大学と、ローカル5G(特定エリア内自営5G)通信を水陸両用バス自動化にむけてマッチングさせるエイビット、プロジェクトをけん引するITbookホールディングスが、水陸両用無人運転技術の開発にむけて「まずは地上で」と着手した流れ。

◆八ッ場ダムでの水陸両用無人運転へむけ、大学構内にローカル5G基地局を設置

埼玉工業大学が自動運転レベル4をめざしアップデートを重ねる自動運転AIバスは、日野『リエッセII』に後付け自動運転システムを搭載。公道を自動運転レベル3でテスト走行を繰り返している。

埼玉工業大の自動運転AIバスはこれまで、埼玉県加須市、兵庫県播磨科学公園都市、愛知県日間賀島、神奈川県横須賀リサーチパーク(YRP)、長野県塩尻市などで走行実験を重ねてきた。

各地で走るたびに3DマッピングやGNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)など異なる走行環境での課題に直面し、プログラムやアルゴリズム、パラメータなどを更新。そんな埼玉工業大 自動運転AIバスが今回トライするのが、ローカル5Gによる遠隔操作だ。

1月27日には、埼玉工業大学構内に配備したローカル5G基地局2か所と、遠隔操作ルーム、そして5G端末を載せた自動運転AIバスを結び、ローカル5G無線送受が確実にとれてるかなどをチェックしていた。

◆ITbookが実験試験局免許を取得、エイビットが4.6GHz帯ローカル5G検証機を提供

ITbookホールディングスは今回の大学構内でのテスト・開発にあたり、「ローカル5G用無線局」の実験試験局免許を取得。「水陸両用無人運転技術の開発~八ッ場スマートモビリティ~」事業で自動運転実験車両・船舶の遠隔監視・遠隔操作へのローカル5Gの有効性を検証していく。

この埼玉工業大学自動運転バス遠隔操作テストで採用したローカル5G検証機は、エイビットが開発したローカル5G検証機「AU-500シリーズ」だ。

AU-500シリーズは、国内初の4.8GHz帯とスタンドアローン方式をサポートするローカル5G検証機で、エイビットが、ローカル5Gで実証実験したいというニーズに応えるかたちでリリースした。

「端末と基地局をセットで提供し、ネットワーク構築時間を削減。企業は AU-500シリーズを購入後、すぐにローカル5Gの実証実験に着手できる」という。

◆埼玉工業大学の行きた教材で水陸両用バスの自動運転・運航システムを構築

また、テスト現場を担う埼玉工業大学は、同大学の自動運転AIバスに搭載されるジョイスティックロボカー技術や自動運転オープンソースソフトウェア「Autoware」をベースに、水陸両用バスの自動運転・運航システムを構築していく。

八ッ場ダムの水面を遠隔操作で航行する水陸両用バスの姿を想定しながら遠隔操作で走り出した埼玉工業大学自動運転AIバス。

ITbookホールディングス、埼玉工業大学、エイビットの3者は、地上で始まったローカル5G遠隔操作テスト走行を重ね、「離着水・離着桟における位置推定及び自動運航技術」「水上障害物検知と回避にむけた技術」「ローカル5G等を用いた遠隔操作技術」をさらにアップデートしていくという。