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BMWジャパン展望…Mモデルやラグジュアリーモデルが好調、2021年は iシリーズが充実

  • 《写真撮影 内田俊一》
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ビー・エム・ダブリュー(BMWジャパン)は1月26日、2020年の振り返りとともに2021年の展望について発表した。

◆コロナ禍の影響が大

2020年、BMWは3万5712台、MINIは2万0196台、モトラッド(二輪車)は5562台を販売(JAIA調べ)。2019年ではBMWは4万6814台、MINIは2万3813台、モトラッドは5562台と、モトラッド以外は昨年を下回る結果となった。

BMWジャパン社長クリスチャン・ヴィードマン氏は、「新型コロナウィルスの影響は避けられなかった。しかしそのような中でも善戦したと考えている」とコメント。「BMWは11の新型モデル、MINIはひとつの新型モデルと4つの限定モデル、モトラッドは4つの新型モデルを発表した」と振り返った。

また、“エディションjoy+”という新たなラインナップを設定。これはクリーンディーゼルを始めPHEV、フルEVなどの環境に優しいラインナップに、「魅力的な価格のモデルの提供を始めた」。そして、BMWジャパンは2020年、「インポーターの中で最も多くの次世代自動車を販売した」と語る。

◆CSR活動などに注力した2020年

昨2020年はBMWジャパンとしてこれまでとは違う取り組みも行われた。例えばビジネストークツールやデジタルショールームビデオ、子供たちがおうち時間で遊べるゲーム等を提供。これらは、「ディーラーだけではなくお客様からのポジティブな反響をたくさんいただいた」と高く評価。

デジタルツールとしては昨年7月に立ち上げたオンラインストアについてヴィードマン氏は、「お客様が店頭に一度も行くことなく新車購入をしてもらえるという取り組みであり、コロナ禍を考慮しオープンした」とその経緯を説明。「ネット上での購入を可能にしたメーカーの中ではかなり早い方だった」と述べ、「お客様にとってディーラー訪問の他にもクルマを購入するにあたっての選択肢が増えた」と話す。

またBMWジャパンは2020年、よりいっそう社会に貢献していくことを目的に、CSR活動を本格的に開始。ヴィードマン氏は、「日本初のフードバンク団体であるセカンドハーベスト・ジャパンと共同で食料物資を運搬配布。また放課後NPOアフタースクールと共同でオンライン上での子供向け教育プログラムを実施。さらにBMWジャパン公式LINEスタンプの売り上げを全額NPO団体に寄付するなどこれまで以上に活動の幅を広げた」と紹介。

さらに、ヤングダボス会議とも呼ばれる次世代の若いリーダーたちが一堂に集まる世界最大のサミット、ワンヤングワールドのパートナー企業としてTOKYO CAUCUS2020をBMWグループベイ東京にて開催。12月には日本で初めて国内のスタートアップ企業を対象としたBMWスタートアップガレージ2020を行った。ヴィードマン氏によると、「このイベントには最先端の技術を持つ多くの若い企業に参加してもらいその数社とはすでに協業を開始している」と述べた。

◆Mモデル、高級ラインナップが好調

さて、BMWの2020年を振り返ると、9月に『5シリーズ』をマイナーチェンジ。続いて10月には、「スポーティーかつエレガントなキャラクターを際立たせ、大きくなったキドニーグリルが抜群の存在感を表現した」という『4シリーズ』をフルモデルチェンジ。「どちらも当社の未来を象徴するモデルであり、登場を待ってくれたお客様がたくさんいた」とコメント。どちらのモデルにもハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能とデジタルキーを標準装備。これは、車両のキーを持たずともiPhoneをドアハンドルにかざすことで車両のロック解除と施錠を、さらにエンジンの始動も可能となるものだ。「これらの技術は多くのお客様より好評をいただいている」とヴィードマン氏。

また、一昨年カーオブザイヤーインポート部門を受賞した『3シリーズ』は、「属するセグメントで販売台数が最も多かった。これまで以上に好評だ」と強調した。

Mモデルに関しては、「昨年前年比で7.7%成長。12月は特に好調で、対前年比15.4%の伸びだった」といい、「Mハイパフォーマンスモデルの『M8』、MパフォーマンスモデルのM『235i』といった新型モデルが寄与した」とのこと。

さらに、「2020年のハイライトとして高級ラインナップのポジティブな成果が挙げられる」とヴィードマン氏。このセグメントには『7シリーズ』、『X7』、『8シリーズ』が含まれ、「対前年比21.1%成長」と好調さをアピール。その要因のひとつとして、日本市場のみに展開した“日本の名匠プロジェクト”を挙げる。

これは、「日本が誇る匠の技と、BMWの妥協のないクルマづくりと哲学、そしてBMWインディビジュアルに込めたドイツクラフトマンシップと融合した日本独自のプロジェクト」と説明し、『8シリーズグランクーペ京都エディション』と『7シリーズピュアメタルエディション』の2モデルを販売した。

◆iXやiX3、i4を発表

『i3』や『i8』など次々と導入し自らを「e-モビリティーのパイオニア」と位置付けるBMWは、昨年BMWとMINIを合わせて全世界で19万2646台の電動化車両を販売し、2019年と比較し131.8%の成長。2023年までにさらに、「25の電動モデルを販売し、そのうちの半数をフルEVとする予定だ」と明かす。

それを踏まえBMWジャパンは、2021年、「電動化戦略を加速させ、フルEVの『iX』、『iX3』と『i4』を発表する予定だ」と述べる。特にiX3は「最先端の技術が搭載されるだけでなく、パワーオブチョイスの戦略に沿って3種類のドライブトレインが提供される」と話す。

そのほか、Mモデルの充実や高級ラインナップにも注力し、「年間を通して限定モデルを展開するなど様々な施策を高じていく」と語った。

◆BMWジャパン設立40周年記念特別イベントも

MINIブランドについてヴィードマン氏は、「2020年は節目の年でもあった。累計販売台数が2020年夏に30万台となった」という。3ドアハッチから始まり『コンバーチブル』、『クラブマン』、『クロスオーバー』や、利便性を高めた5ドアを導入。特にMINIは日本で人気が高く、外国メーカーモデル別新車登録台数にて、「2016年から5年連続で1位となっている(JAIA調べ)」とその特徴を説明。

2021年は「ラインナップの中核である3ドアハッチバックと5ドアハッチバックが活躍する年になる」とヴィードマン氏。「3ドア及び5ドアハッチバック、クロスオーバー、クラブマンの限定車を、年間を通して多々お届けする」と述べ、「3月2日に予定しているメディアイベントではもっと多くのことをお話ししたい」と期待を持たせた。

モトラッドは2020年、4つの新型モデルを発表。『F900R』、『F900XR』、『S1000XR』、そして5月にクルーザーセグメントに新たに『R18』を導入。「コロナ禍にも関わらず対前年比111.1%の5,562台とモトラッド史上最高の販売台数を記録した」とアピール。

また、電動スクーターの『Cエヴォリューション』を輸入車として初めて警視庁に納入。「東京マラソン2020の先導者の大役を担い、今年の箱根駅伝でも先導車として走行した」と述べる。
ヴィードマン氏によると2021年は、「史上最多となる16の新モデルを導入する予定だ」という。ハイライトは「GSの40周年記念限定モデル、R1250GS及びR1250GSアドベンチャー、BMWモトラッド史上初のMモデルが登場する」と述べる

そして2021年、BMWジャパンは9月に設立40周年を迎える。「日本においてヨーロッパメーカーとして初となる現地法人を1981年に立ち上げた。今後も引き続き日本市場に投資していく。今年3月パーツセンターを千葉県山武市から印西市に移転。これまでよりかなり広いスペースになるのでより質も効率も高いサービスを全国のお客様に提供できるようになる」とともに、40周年を記念して公式サイトにスペシャルサイトをオープン。「今後1年を通して限定モデルの展開やディーラー店舗での特別イベントなど、様々な施策を実施していく予定だ」と2021年の展望を語った。