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【ホンダ N-BOX 改良新型】パーキングブレーキの電動化まで踏み込まなかった理由
昨今、パーキングブレーキの電動化が急速に進んでいる。その波には軽自動車にも及び、ホンダでは『N-WGN』や『N-ONE』が搭載しているほか、スーパーハイトワゴンクラスでも日産『ルークス』や三菱『eKスペース/eKクロススペース』の一部仕様に設定されている。
そんななか12月24日にマイナーチェンジを受けた新型を発表したのがホンダ『N-BOX』。「N-WGNやN-ONEで採用したのだから電動パーキングブレーキ化されるのでは」という期待を込めた噂があったものの、実際にはその採用がなかった。従来通り駐車ブレーキは足踏み式となっている。
そのあたりの事情について、開発責任者をつとめた本田技研工業ものづくりセンターの宮本渉氏に聞いた。
「載せたい意思は充分にあります。しかしブレーキシステムは安全にもかかわる重要な機能なので、今回の変更で入れ替えるのはハードルが高かったというのが正直なところです。電動パーキングブレーキの主な目的がACCなので、ホンダセンシングと繋げる必要がある。だからハードとソフトの両方を入れ替えないといけない。今回はマイナーモデルチェンジで短い期間での開発なので、そこまで踏み込むにはちょっと無理がありました。しかし我々としては、搭載する方向で前向きに考えていきたいと思っているのも事実です」
電動パーキングブレーキは力のない人でも確実な作動、そして簡単な操作での解除を実現できるほか、作動/解除自体を自動化できる特徴がある。いっぽうで、多くのユーザーが期待するのは宮本氏が言うようにACC作動中の停止保持だろう。それを実現しているのはスーパーハイトワゴンクラスでは日産ルークスや三菱eKスペース/eKクロススペースの一部仕様のみで、もしN-BOX(もちろんそれ以外の車種でも)が全グレードに搭載すればライバルに対するアドバンテージになることは間違いない。今後このクラスの中で、どのクルマは最初が全車標準搭載してくるかは実に興味深いところだ。
ちなみに、N-BOXのACCは今回のマイナーモデルチェンジにおいて高速道路の制限速度120km/hに対応して上限速度が引き上げられたが、下限速度は従来と変わらず約30km/hだ。全車に標準装備するというN-BOXだけがクラス唯一となるアドバンテージはあるものの、渋滞対応に関しては全車速を謳うダイハツ『タント』やスズキ『スペーシア』、一部仕様で停止保持までおこなう日産ルークスや三菱eKスペース/eKクロススペースの一部仕様に差をつけられているのが現状だ。