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【日産 ノート 新型】 グプタCOO「e-POWERのファンをさらに増やしていく」

  • 《写真提供 日産自動車》
  • 《写真撮影 中野英幸》
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  • 《写真提供 日産自動車》
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日産自動車は11月24日、コンパクトカー『ノート』を8年ぶりに全面改良して12月23日に発売すると発表した。3代目となる今回のノートは、低迷した日産の販売を立て直す最重要モデルとなるだけに、アシュワニ・グプタCOOが行った冒頭の挨拶にも熱がこもった。

「2016年にノートに初めて搭載したe-POWERは、日本のお客さまの厳しい目によって認められ、累計で43万台を販売した。そのe-POWERにさらに磨きをかけ、パワーとレスポンス、静粛性をより一層向上させた第2世代のe-POWERを新型ノートに搭載した。今日発表した新型ノートでe-POWERファンをさらに増やしていく」

なにしろ12年に発売された2代目ノートは、e-POWERが搭載されるや否や日本で大ヒットした。2018年度には登録車販売で1968年度の『ブルーバード』以来、50年ぶりのトップになっているのだ。それだけに新型ノートに期待する日産関係者は多い。

日産車の国内保有台数はバブル時代の693万台をピークに減少が続き、2010年代前半には565万台にまで落ち込んだ。17年に600万台に回復する目標を立てたが、日産車全体の販売は低迷したままだ。19年のメーカー別新車販売台数を見ても56万台と5位に沈み、軽自動車が主体のスズキ(69万台)やダイハツ工業(65万台)にも負けている。

かつて国内市場での“明確な2位”という目標を立てたが、新型ノートの販売を契機に今度こそその目標を近づきたいところだろう。新型ノートの最大のウリはe-POWERの進化だ。

モーターとインバーターを刷新。モーターは先代ノートに比べ、トルクを10%、出力を6%向上させ、よりパワフルで気持ちのよい発進加速と、中高速からの追い越しでの力強く加速感を実現した。インバーターは、第1世代よりも40%小型化、30%軽量化し、さらにエンジンも高めたことで、加速性能だけでなく同時に燃費の向上も実現した。

また、プラットフォームについても、「次世代型の上級小型車向けプラットフォームを採用した。超ハイテン材を要所に配した高強度・高剛性ボディ、すべてのパーツを一新した高性能・高剛性サスペンションおよびステアリングシステム、そして静かな走りを支える高遮音パッケージ。これらの技術によって1クラス、2クラス上の快適な乗り心地と気持ちのよいハンドリング性能を実現した」(車両開発責任者を務める渡邊明規雄チーフビークルエンジニア)という。

価格は202万9500~218万6800円で、国内販売はライフサイクル平均で月間8000台を見込む。ライバル車と目されているトヨタ自動車の『ヤリス』(139万5000~229万5000円)やホンダの『フィット』(155万7600~253万6600円)に比べると、エントリー価格が高い。

それはノートにはガソリン車がなく、e-POWERのみだからだ。これは、日産がゼロエミッションに力を入れている意味もあるが、e-POWERへの一本化のほうがコストがかからないということが大きい。果たして日産の目論見通りに新型ノートが中期計画「日産Next」の救世主となるのか要注目だ。