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いすゞ エルフ 改良新型、歩行者検知自動ブレーキ初搭載…エンジンも一新
いすゞ自動車は10月29日に発売する小型トラック『エルフ』の年次改良モデルを藤沢工場(神奈川・藤沢市)内で報道陣らに公開した。新開発エンジンの搭載や、歩行者を検知する自動ブレーキなど安全運転支援機能を充実させたのが特徴。
年次改良モデルに搭載される新エンジン「4JZ1」は、排気量3リットルで最高出力150馬力および最大トルク375Nmと、同175馬力、同430Nmの2つのバリエーションがあり、いずれも平成28年排ガス規制に対応している。
いすゞの奥山理志執行役員は新エンジンについて「技術開発でとくにこだわった部分は、環境性能はきちんと上げたうえでクラストップの超低燃費、それから架装を選ばないパッケージ設計を達成しながら、さらにメンテナンス性の向上、ランニングコストの低減、耐久信頼性と静粛性の追求」と説明。
その上で「17年型エルフと比較して、平均車速が高い使い方、低い使い方様々なパターンで燃費を向上することができた。このためにシリンダーブロック、シリンダーヘッドといったエンジンの基本構造の部品から新開発した」と明かした。
さらに燃料噴射量フィードバック制御、可変動弁機構、モデルベースEGR制御、オイル劣化モニタリングといった小型商用車初となる技術の採用も貢献しているという。
また排ガスクリーン化と架装を選ばないパッケージ設計に関してはDPD(排ガス後処理装置)をエンジンルーム内に配置する近接型とし、ホイールベース内には尿素SCRだけを搭載することで両立を図っている。
「これにより排ガス浄化性能を上げると同時に小型商用車にとって極めて重要な架装性を確保することができた」と奥山執行役員は胸を張った。
一方、安全運転支援では歩行者を検知する先進緊急ブレーキ(AEBS)をエルフとして初搭載した。奥山執行役員は「歩行者、自転車が止まっていても動いていても検知できるシステムとしてステレオカメラを採用した。とくに子供を守りたいとういうのが我々エンジニアの思いで、カメラをインパネ上に置くことで子供でも近くまで見えるよう造りこんだ」と語る。
エルフに新搭載されたAEBSは、カメラが前方の障害物を検知し衝突の恐れがあると警報音が作動、ドライバーの操作が無くさ追突の可能性が高まるとより強い警報とブレーキを自動的に作動させて衝突回避を支援する仕組みになっている。
奥山執行役員によると「このAEBSのブレーキは強力なので必ず荷崩れが起きる。商用車にとって荷崩れは大きな問題になる。このためドライバーがソフトなブレーキを掛けられるタイミングでお知らせることにこだわった」とのことだ。
AEBSは4.6t積車を除く全車に標準装備される。AEBS以外の安全装備としては車線逸脱警報、車間距離警報、先行車発進お知らせ機能、誤発進抑制機能などとなっている。