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スーツケースが視覚障がい者を誘導…アルプスアルパインなど実証実験を開始

  • 《写真提供 アルプスアルパイン》
  • 《画像提供 アルプスアルパイン》

アルプスアルパイン、オムロン、清水建設、日本IBM、三菱自動車の5社で設立した次世代移動支援技術開発コンソーシアムは、AIスーツケースの社会実装を目指した実証実験を開始した。

AIスーツケースとは、カメラをはじめとした様々なセンサーから得られる情報と、最新のAI・ロボット技術を組み合わせることで、視覚障がい者が自立して街を移動し自然なコミュニケーションを開始することを助ける統合ソリューションだ。位置情報と地図情報から目的地までの最適ルートを探索し、音声や触覚などによる情報提示を交えながら誘導。映像およびセンサーの情報から障害物を認識して避けるなど、移動を支援する基本機能を備える。

また、位置情報とクラウド上の知識情報から、音声対話で周囲のお店の案内や買い物の支援するほか、映像から知人を認識するとともに、表情や行動などから相手の状況を判断し、円滑なコミュニケーションを実現。映像およびセンサーの情報から周囲の行動を認識し、「行列に並ぶ」といった、その場に応じた社会的な行動を支援する。

さらに、新型コロナウイルス感染症拡大への対応として新機能を追加。映像およびセンサーの情報から人とのソーシャルディスタンスを確保しながら誘導するほか、マスク着用有無を判定し音声と触覚(振動)で通知。マスク着用時でも映像から知人を認識し、円滑なコミュニケーションを支援する機能も備える。

実証実験は、三井不動産が管理運営する商業施設「コレド室町3」をはじめ、国内の商業施設、公共交通機関、大学構内などへ拡大していくことを目指し、期間は2021年4月30日までを予定している。コンソーシアムでは、搭載機能の性能や使いやすさを評価・検証することで、共生社会の実現に向けた取り組みを進めていく。