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【マツダ MX-30】プレーンかつサスティナブル、マイルドハイブリッド搭載のコンパクトSUV…価格は242万円から[詳細画像]
「東京モーターショー2019」にてマツダ初の量産EVとして登場したコンパクトSUV『MX-30』だが、日本導入はマイルドハイブリッド搭載モデルからとなる。
ボディサイズは、全長4395×全幅1795×全高1550mm。ホイールベースは2655mmで、同社のコンパクトクロスオーバー『CX-30』とほぼ同サイズだ。
◆あえて廃止したシグネチャーウィング
2019年の『マツダ3』からフェーズ2に移行したマツダのデザインテーマ「魂動」に倣いながらも、それに広がりをもたせたデザインコンセプト「Human Modern」をエクステリアに体現したMX-30。デザインコンセプトと共に最新の魂動デザインで提唱されている引き算の美学を表現したMX-30のフロントからは、同社の他モデルに共通して採用されていたシグネチャーウィングがあえて廃止され、新たな魂動デザインの方向性が窺える。
ヘッドランプでは新世代のマツダデザインに呼応したシリンダー形状によって奥行きをもたせた彫りの深いものを採用。リアコンビランプでも立体感を際立たせるべく、アウターレンズを感じさせないユニット形状を取り入れた。サイドのキャラクターラインでは、フロントエンドからボディサイド、リアエンドまでのショルダーと緩急の付いたピラーをかけ合わせることでシンプルながらも流れのある塊感を表現している。
MX-30の大きな特徴の一つはセンターオープン式を採用した「フリースタイルドア」だろう。同社のスポーツカー『RX-8』を思わせる観音開き式ドアは、専用設計のヒンジを採用することでフロントドア82°、リアドア80°の開閉が可能。センターピラーがないことで、乗り降りのしやすさだけでなくチャイルドシードなど荷物の載せ降ろしが容易になったという。
ボディカラーは、ソウルレッドクリスタルメタリックやポリメタルグレーメタリック、セラミックメタリックの3色に、ブラックアウトしたルーフとメタリックカラーのルーフサイドを組み合わせた3トーンの「フレームドトップ」を採用。メタリックカラーはベースとなるボディカラーとの相性を考慮しダークとシルバーの2色を用意している。その他、ボディーカラーからルーフまでを同色とした1トーンには、マシーングレープレミアム、ポリメタルグレーメタリック、セラミックメタリック、ジェットブラックマイカの4色が設定されている。
◆インテリアから見受けられるMX-30の環境性能
「開放感に包まれる」空間の実現を目指したMX-30のインテリアデザイン。特徴の一つである必要な操作部が集約されたフローティングコンソールはその名の通り周囲の本体から切り離されている。デザイン面での進化だけでなく、ディスプレイとステーショナリー式シフトレバー、コマンダーコントロールを前方に配置しセンターアームレストに高さをもたせ前後スライド機能を採用することにより、自然な腕の確度で操作系にアクセスできるようになったという。
コンソール前部の7インチタッチパネルディスプレイでは、エアコンやシートヒーター等の調整が行うことが可能。メーター中央に7インチTFT液晶、インパネ上部のセンターディスプレイにはマツダ3やCX-30と同じ横長の8.8インチセンターディスプレイを搭載している。
また、センターアームレストの間には深底のカップホルダーを配置し、コンソールに高低差を設けることで操作性のみならず飲み物の置きやすさにも恩恵をもたらしている。コンソールトレイとドアグリップに用いられるコルクは樹木の表皮から採取される天然由来かつ環境負担の少ない素材を採用し、2020年に100周年を迎えたマツダ発足時の「東洋コルク工業」のヘリテージを現しているという。
MX-30のインテリアコーディネートは、モダンをテーマにしたラインナップ。ホワイトの合皮にメランジ調のクロスを組み合わせ、オレンジのステッチがアクセントとして施された「モダン コンフィデンス」とブラウンの合皮にデニム調のクロスを組み合わせた「インダストリアル クラシック」、グレーのクロスにブラックを組み合わせたベーシックを用意している。コンソールトレイのコルク部分はそれぞれのインテリアコーディネートに合うよう、モダン コンフィデンスにはナチュラル調、インダストリアル クラシックにはダーク調のコルクを採用した。
コルクだけでなく、インテリアには他にもサステナビリティに富んだ素材が使用されている。ドアトリムのアッパー部分にはペットボトルのリサイクル原料を使用した繊維素材を採用。インダストリアル クラシックにはリサイクル糸を約20%デニム調生地に用い、合皮には人工皮革であるプレミアムヴィンテージレザレットを採用している。
ラゲッジ容量は400L (VDA方式)で、機内持ち込みサイズのスーツケース4つを詰め込めるサイズだ。フロア下には小物の収納に便利なサブトランクを備えている。
◆燃費性能と走行性能の両立
搭載されるパワーユニットは、2.0リットル直列4気筒ガソリンエンジンSKYACTIVE-G 2.0をベースに最高出力 6.9ps、最大トルク49Nmのマイルドハイブリッドシステム「Mハイブリッド」を組み合わせた「e-SKYACTIV G」で、ユニット合計で最高出力115ps、最大トルク199Nm を発生。駆動方式は2WDとAWDを用意している。
Mハイブリッドは減速時、停車前からエンジンを止め惰性で走らせるリフトアンドコーストを自動で行うことで優れた燃費性能を実現している。エンジン再始動時もi-stopが従来のスターターからベルトISG方式に変更を受けたことで、スムーズかつ静かな加速を実現したという。
搭載される24Vリチウムイオン電池は安全性や寿命、充電率などが従来比で向上し、ブレーキワイヤ方式に変更された回生協調ブレーキシステムからより多くの減速エネルギーを回生、蓄電することが可能になった。燃費は、WLTCモードで2WDモデルが15.6km/L、AWDモデルが15.1km/Lとなっている。
エンジン制御に加えブレーキによる車体姿勢安定化制御を追加することで高い操作安定性を提供するG-ベタリング コントロール +(GVC Plus)では、コーナリング時のハンドル操作に呼応し外輪をわずかに制御し車体の挙動安定化を図る。i-ACTIV AWDやトラクションコントロールシステム(TCS)との協調制御も伴い、ウェットからドライ路面までの適切なトルク配分によるスムーズかつ安定した走りを提供する。
◆センターピラー無しでも高い衝突安全性
MX-30には、進化した先進安全技術「i-ACTIVSENSE」が搭載される。従来の被害軽減ブレーキ「スマートブレーキサポート(SBS)」に、交差点での衝突事故防止を目的とした「右直事故回避アシスト」を追加。白線の無い道路での逸脱回避を図る「ロードキープアシスト機能」や車線変更時の衝突回避を支援する「側方危険回避アシスト」を盛り込んだ「緊急時車線維持支援」を装備している。
センターピラーを持たないMX-30でもパッシブセーフティを高めるべく、ホットスタンプ材と稜線補強材を同時に加工する工法をAピラーとルーフサイドに取り入れた。フリースタイルドアのリアドア内部にもバーティカルレインと呼ばれるホットスタンプ材を用いた補強部材を縦方向に配置している。
◆価格は242万円から
2WDモデルが242万円、AWDモデルが265万6500円からとなっているMX-30には、交通標識認識システムなどベーシックな機能を充実させる「ベーシックパッケージ(7万7000円)」が設定。
ベーシックパッケージには、先進安全を重視した「セーフティパッケージ(12万1000円)」や運転のしやすさや快適性を高める「ユーティリティパッケージ(8万8000円)」、インテリアコーディネートを追加する「インダストリアルクラシック/モダンコンフィデンスパッケージ(11万円)」などを追加することが可能だ。7万7000円の「エクステリアパッケージ」を追加した場合は、高輝度ダーク塗装の18インチアルミホイールやロゴがあしらわれたDピラーメッキの他に上記の3トーンカラーが選択可能となる。