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ロールスロイス ゴースト 新型にロングボディ、ビジネスジェットのキャビン空間を追求…年内に納車開始

  • 《photo by Rolls-Royce》
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ロールスロイスモーターカーズ(以下、ロールスロイス)は9月24日、新型『ゴースト』(Rolls-Royce Ghost)のロングホイールベース仕様、「エクステンデッド」を欧州で発表した。納車は2020年第4四半期(10~12月)、開始される予定だ。

新型ゴーストは、ロールスロイスがこれまで生産したモデルの中で、最も技術的に進歩した車になっているという。初代ゴーストから受け継いだコンポーネントは、ボンネットフードのマスコット、「スピリット・オブ・エクスタシー」とアンブレラだけだ。

それ以外のすべてが、ゼロからデザイン、開発、製作された。その結果、ロールスロイス史上、最も技術的に進歩したモデルが誕生したという。「豊かな時代後」の精神に基づき、表面的な富を象徴するきらびやかなデザインを排除している。

◆シャンパン用冷蔵庫の温度は2種類の設定

強固なアルミ製のスペースフレーム構造を採用する。ボディサイズは全長5546mm、全幅1978mm、全高1571mm、ホイールベース3295mmだ。これに対して、ロングホイールベース仕様のエクステンデッドは、ボディサイズが全長5716mm、全幅2148mm、全高1571mm、ホイールベース3465mm。全長とホイールベースは、170mm延長されている。新型では、穏やかな照明がパンテオングリルを照らし、ロールスロイスのエンブレムを引き立てるデザインとした。

170mmの延長分は、主に後席乗員の足元スペース拡大に充当された。ホイールベースの延長によって、「リクライニングセレニティシート」を選択できるようになった。ビジネスジェットのキャビンに似た新次元の快適性を提供するという。

独立2座の後席の間には、シャンパンなどが入る冷蔵庫が設置された。この冷蔵庫は、ロールスロイスの顧客のニーズに細心の注意を払って開発された。ロールスロイスのエンジニアは、マスターソムリエに相談したという。ヴィンテージ以外のシャンパンの最適な冷却温度は約6度で、ヴィンテージのシャンパンは約11度であることを学んだ。これを受けて、冷蔵庫の温度設定は、6度と11度の2種類の冷却モードが設定された。

また、電気式開閉ドアでスムーズな乗り降りを可能にした。特定の共鳴周波数にチューニングされた車内は、車体の振動やノイズを最小に抑え落ち着いた雰囲気を演出する。ライトアップされ、ゴーストの名前と850以上の星があしらわれたフェイシアも採用している。

◆571馬力のV12ツインターボ搭載

パワートレインには、直噴6.75リットルV型12気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載する。最大出力は571ps/5000rpm、最大トルクは86.7kgm/1600rpmを引き出す。トランスミッションは8速ATで、駆動方式は4WDだ。車両重量2530kgあるが、動力性能は0~100km/h加速が4.8秒、最高速は250km/h(リミッター作動)となる。

4WDと4輪操舵によって、これまでにないバランスと安定感を追求した。新型には、世界初の「プラナー(Planar)」サスペンションシステムを搭載する。ロールスロイスならではの魔法の絨毯のような乗り心地、「マジック・カーペット・ライド」がさらに進化しているという。

◆フラットな乗り心地を実現するサスペンションシステム

サスペンションの設計を一新し、プラナーと呼ばれるサスペンションシステムを採用した。完全に平らで水平な幾何学的平面を指すプラナーという単語にちなんで命名されたこのシステムは、数年間に渡る開発とテストによって生まれたもので、まるで地上を飛んでいるかのような乗り心地を実現するという。

プラナーのシステムは、3つの技術で構成される。ひとつ目は、アッパーウィッシュボーンのダンパーユニットで、フロントサスペンションアセンブリの上部に取り付けられ、優れた乗り心地を追求する。開発には3年間を要し、ロールスロイスによると、世界初の技術になるという。

2つ目は「Flagbearer」システムで、カメラを使用して前方の路面状況を読み取り、サスペンションシステムが路面の変化にあらかじめ備える。 3つ目は「サテライトエイデッドトランスミッション」。これは、GPSデータを使用して、前方のコーナーに最適なギアをあらかじめ選択する。ロールスロイスは、プラナーシステムにより、新型ゴーストは最も要求の厳しい路面にも予測して対応できる、としている。